映画「ひみつのアッコちゃん」(監督川村泰祐)が1日、公開初日を迎え、主演の綾瀬はるか(27)が都内で舞台あいさつした
原作漫画の連載開始時を意識した60年代ファッションで登場ただ14センチのハイヒールにてこずり、2度つまずく場面も寄り掛かられた香川照之(46)に「何やってるんだ危ないな」と突っ込まれてテレ笑い「すいませんちょっと気を抜いていました気をつけます」と頬を赤らめた「テクマクマヤコン」「ラミパスラミパス」など、劇中の呪文を織り交ぜてヒットを祈願するはずだったが、セリフが長く言い切れず「大ヒットになーれ」とシンプルに締めた 漫画家を夢見て上京する若者を住宅面などで支援する「トキワ荘プロジェクト」平成18年にスタートし、約20人がプロとしてデビューした5月に書き下ろし単行本「僕にはまだ友だちがいない」を出した中川学さん(36)もチャンスをつかんだ一人2作目の話も進んでおりキャリアアップしている一方、経済的成功には遠いプロジェクトは漫画にかける夢と現実を映し出す
中川さんが生活する古い木造一戸建てがあるのは、練馬区の西武池袋線線路のすぐ脇電車の通る音がうるさいここで漫画家志望の5人が共同生活しているトイレ、台所、風呂は共同だ
部屋は4畳半一間で押し入れはなし部屋の柱にはレシートが貼り付けてあるトイレットペーパーを買ったときのもので、「共有物はなくなっているのに気づいた人が買って、後で精算するんですよ」と中川さんは笑う
トキワ荘プロジェクトはNPO法人「NEWVERY」(豊島区)の事業同NPOが都内の一軒家を借り上げ、中川さんのような漫画家を夢見る地方の若者に斡旋(あっせん)している
共同生活になるが、家賃は電気、水道、ガス代込みで6畳間で4万8千円都内で21戸あり、118人の定員は常にいっぱいだ
「家賃の高い東京の1人暮らしは大変家賃が安くなれば、バイトに当てていた時間を漫画に振り向けることができる」
NEWVERY副理事長、番野和敏さんはプロジェクトの意義をこう語るこのほか、アシスタントの斡旋や編集者の紹介などの支援もしている
中川さんは22年11月、プロジェクトに応募して北海道から転居してきた北海道では産休補助教員やアルバイトをしながら漫画を描き、雑誌の新人賞などに応募していたという
「北海道では編集者と知り合う機会もない上京しないと駄目だと思った」動機をこう語る
効果はすぐに表れたこの年の暮れにプロジェクトを通じて編集者と知り合いになり、とんとん拍子でデビューが決まった「信じられなかった北海道ではこんなことあり得ない」
中川さんは念願の漫画家として第一歩を記したが、現実は厳しい
執筆に約5カ月かかり、この間は忙しくてアルバイトができなかったそして、中川さんが受け取った印税は数十万円「生活は苦しい」と話す
漫画は当てれば大金を手にすることができるが、そんな人はほとんどいないNEWVERYの調査では、連載を持っている漫画家187人の平均総年収は約660万円だった
さらに、漫画業界そのものも先細っている出版科学研究所によると、単行本と雑誌を合わせた漫画の推計販売金額は7年の5864億円をピークに長期低落しており、23年には3903億円になってしまった
それでも中川さんの漫画への情熱は揺るがない「描きたいことがあるやめようとは思わない」と前だけを向いている寄り掛かられた香川照之(46)に「何やってるんだ
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