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　札幌シネマフロンティア（札幌市中央区北5西2）で9月8日、映画「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」の公開を記念し主演の織田裕二さん、監督の本広克行さん、脚本を手掛けた君塚良一さん、プロデューサーの亀山千広さんらが舞台あいさつを行った（札幌経済新聞）

【画像】 青島俊作のトレードマークのコートを着た織田裕二さん

　同作は1997年1月から放送された連続テレビドラマ脱サラして刑事になった青島俊作を主人公に、アクションや逮捕劇だけでなく、警察組織の陰謀や権力争いなどの裏側も描くスタイルで終了後も大きな反響を呼び、映画化、スペシャルドラマ・スピンオフ作品が次々と制作されるなど、社会現象も起こす人気作今回の作品でシリーズ15年の歴史に幕を閉じることから一層大きな話題を呼んでいる

　「THE FINAL」では、青島が勤務する湾岸署内で開催する「国際環境エネルギーサミット」で誘拐事件が起こり、警察が押収した拳銃を使った殺人事件やユースケ・サンタマリアさん演じる湾岸署の署長・真下の息子が誘拐されるなど、警察をターゲットにした事件が立て続けに発生する真実を突き止めようと奔走する青島が、謎や陰謀も絡んだ事件に立ち向かう

　登場とともに大きな拍手と歓声で迎えられた織田さんら「今回はうれしい出張を命じられた青島です」と織田さん「笑った？泣いた？（胸を押さえ）ここに来た？」と質問し「『来たー！』と言われると違うことを考えてしまう（笑）」と会場の笑いを誘った「『踊る』好き？『踊る』終わるのやだ？僕も『踊る』好きです！」と登場と同時に一気に会場を盛り上げた

　当日の来場客から寄せられた質問に答える場面では、質問した女性の子どもが誕生日だったことから織田さん自らバースデーソングを歌うなどのサプライズや「実は僕は北海道と東京のハーフ（親の片方が）倶知安（出身）北海道には熱い思いもある」などと織田さんの「知られざる情報」を明かす場面も

　シリーズ中で印象に残っているシーンに関し、織田さんは「テレビシリーズで真下が撃たれ、室井さんが『俺はやるよ』と決意する廊下でのシーン」、君塚さんは「すみれさんが『お札を印刷すればいいのに』とつぶやくシーンで笑ってもらえたことがうれしかった」、亀山さんは「僕は後姿にこだわっている今回も後姿にこだわっているのでそこを見てほしい」とそれぞれ話し、「これを話し始めたら2、3時間かかり止らない」（織田さん）と熱い思いの丈をにじませた

　織田さんは青島のトレードマークであるカーキのコートを着た後、来場客らと記念撮影「15年間支えて下さったみなさん本当にありがとうございます」と感慨深く深々とお辞儀し、大歓声と拍手に包まれ会場を後にした

　「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」は全国で公開中昭和３１年、後にスクリプター（記録係）と脚本家を兼ねる白鳥あかね（８０）は仰天した「孤独の人」（西河克己監督）の撮影現場で、その他大勢に過ぎなかった小林旭（あきら）（７３）が将来のスターを予感させる振る舞いを見せたからだ

　「学生たちが集まった教室で西河さんが『歌を歌えるやついるか』と聞くと、『はーい』と気軽に手を挙げたのが旭」当時１８歳の小林は〈木曽のナァー　なかのりさん〉で始まる「木曽節」を歌った「すごい声で臆せず歌い、われわれスタッフも学生も全員静まり返り、撮影所中の評判になった」と白鳥

　３４年に入社した村川透監督（７５）の配属先は営業部で、スターとなった小林主演作「ギターを持った渡り鳥」（斎藤武市（ぶいち）監督）の公開を１０月に控えていた村川はゴールデンウイークに人でごった返す東京・上野を借りた馬で駆け抜けた「当時の日活は派手で宣伝祭があった旭の衣装を着て模倣のピストルを持って、『ギター－』の看板をつけて走りましたね」自分なりのアクションを求めて日活を離れ、「野獣死すべし」（５５年）などで松田優作とコンビを組むはるか前の話だ

　日活が業績不振から４６年の「八月の濡れた砂」（藤田敏八監督）を最後に一般映画を廃し、ロマンポルノへ路線を変える際、白鳥は会社に残るか去るかで悩んだ「テレビ界から重宝された斎藤武市さんについていけば食いっぱぐれはないけど、クリエーティブな喜びがないと続けられない斎藤さんに『残ります』と言うときがつらかった」

　スタッフ全員が試写室に集められた最初のロマンポルノ「団地妻　昼下がりの情事」を見せられ、あからさまな性描写に度肝を抜かれた「覚悟はしていたけど、こういうのを毎日作るの？ってね」ところが、ポルノ転身を機に脚本家となり、曽根中生監督の「わたしのＳＥＸ白書　絶頂度」（５１年）などで水を得た魚のように活躍、「残って正解だった」という低予算で撮影は７日、７０分内で１０分に１回は濡れ場「後は何をやってもよく、好き放題にできた」

　ホラー映画「リング」シリーズで知られる中田秀夫監督（５１）は東大在学中、ロマンポルノにのめり込んだ「朝から浴びるように見た裸は出てくるけど、質の高いラブストーリーが描かれている」とまじめに語る６０年に助監督として入社し、「生贄（いけにえ）夫人」（４９年）の小沼勝（７４）らあこがれの監督の作品を志願した

　白鳥は５５年に退社してフリーとなり、市民映画祭「ＫＡＷＡＳＡＫＩしんゆり映画祭」の実行委員長を兼任している今後の日活については「滅びないでほしいせっかく１００年続いた会社なんだから、次の１００年も生きていってほしい」と愛着を見せる＝敬称略（市川雄二）

　■４３作を特別上映する「日活映画１００年の青春」は８日から、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国順次公開ＣＳのチャンネルＮＥＣＯでも日活作品を特集放送中今回の作品でシリーズ15年の歴史に幕を閉じることから一層大きな話題を呼んでいる
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